News & Column

2018.08.24
ニュース 感情フォント

フォントで気持ちを伝える「DNP感情表現フォントシステム」を
開発しました

大日本印刷株式会社は、テキストデータを自動解析する技術を活用し、文章の内容や感情に合わせて、最適なイメージのフォントを自動的に判別して表示する「DNP感情表現フォントシステム」(特許出願中)を開発しました。本システムは、文章中の言葉や絵文字の意味を解析し、その文章を12種類の感情・イメージに分類して、それに最適なフォントに変換して情報を表示することができます。


DNP ニュースリリース
「大日本印刷 「DNP感情表現フォントシステム」を開発 ― 文章の内容からその気持ちにマッチしたフォントで情感あふれるメッセージを表現 ―」
(2018年08月24日)


  • 「DNP感情表現フォントシステム」デモンストレーション動画




【開発の背景】

近年、SNSや電子メールなどが日常的に利用されていますが、文字によるコミュニケーションは、声のトーンや表情が直接伝わる会話に比べ、意図や気持ちが伝わりにくく感じることがあります。そこで、感情をフォントで表現する「DNP感情表現フォントシステム」を開発しました。

当システムには、DNPが「秀英体」の開発で培った文字表現技術の他、印刷物で用いてきた多様なフォントやコンテンツによるコミュニケーションのノウハウを活かしています。


チャットへの導入イメージ

DNP感情表現フォントシステムの導入イメージ




【「DNP感情表現フォントシステム」の特長】

1.言葉・絵文字に応じてフォントを自動変換

文中の言葉や絵文字を解析し、それらが持つ感情やイメージから最適なフォントへ自動変換します。感情・イメージは、安らぎ、穏やか、楽しい、喜び、好き、哀れ、不安、恐怖、怒り、驚き、デジタル、ニュートラルの12種に分類しています。解析する単語や絵文字、感情やイメージ、変換するフォントの種類や数はカスタマイズも可能です。


12種類の感情・イメージの分類と使用フォントの組み合わせ例


同じ言葉でも、絵文字で感情が変わる例

絵文字からの感情解析による最適フォントへの変換


2.入力するテキストのリアルタイムな分類が可能

テキストの入力時にリアルタイムで内容を解析し、順次フォントを自動判定しながら、文章全体で感情・イメージを伝えるフォントに変換します。また、利用者自身が自分の好みのフォントを選択する機能もあります。今後は、本システムで利用者のフォント選択結果(ログ)を収集して、さらなる判定精度の向上を図っていきます。


テキスト入力時のリアルタイムなフォント変換


候補書体からの選択機能




今後は、当システムの導入先のニーズに応じた商品開発や、AI(人工知能)の精度アップを進めます。
SNSやチャットボット、デジタルサイネージなどさまざまなシーンで、フォントによる豊かなコミュニケーションの実現を目指していきます。




2018年9月18日に開催されたW3CのWorkshopにて、本システム(Auto Font Alternating System)を紹介をしました。当日のスライドはWorkshop Agenda(英文)でご覧いただけます。

2018年10月11日の日テレNEWS24のネット視聴対応型ニュース番組「the SOCIAL」で、本システムが紹介されました。動画はニュースサイト「日テレNEWS24」でご覧いただけます。




チャットボット(キャラクター)への活用イメージ


※「DNP感情表現フォントシステム」は、2006~2007年に慶應義塾大学・清木康(KIYOKI Yasushi)研究室とDNPが共同で推進した「書体の感性データベース」研究を基礎概念として発展させ、DNPが2018年に開発したものです。

※当システムは、株式会社リアルタイプのウェブフォントエンジンと、砧書体制作所、スキルインフォメーションズ株式会社、大日本印刷株式会社のフォントを用いています。

※この記事に記載のシステムの機能や搭載フォントなどは開発中のものです。変更されることがありますので、あらかじめご了承ください